Open USDでCircleの牙城は崩れる?140社が選んだ新しい利益配分
ステーブルコインを発行する会社だけが準備資産の利息を得るのではなく、利用者を連れてきた銀行、決済会社、ウォレットにも収益を分ける。140社超が参加するOpen USDは、通貨の性能より『誰が儲かるか』を書き換えて市場を広げようとしています。CircleやTetherの強さへ挑めるのかを考えます。
この記事は、2026年8月18日時点の情報をもとに作成しています。
Open USDは、参加企業へ準備資産収益を分けるネットワーク
何が新しいのでしょうか。OnePayが発表したOpen USDは、銀行、フィンテック、決済会社、暗号資産企業が共通の米ドル連動ステーブルコインを流通させる構想です。140社超が参加し、通貨を利用者へ届けたパートナーへ準備資産収益の一部を分ける仕組みを掲げます。
従来、発行体が受け取る準備資産収益は大きな競争力でした。流通パートナーへ分ければ、一社で利用者を集めるより早く、銀行アプリ、カード、ウォレットへ組み込めます。利用者には選べる窓口が増え、企業には通貨を広げる直接の経済的理由が生まれます。
CircleとTetherの牙城を崩すには、何が必要?
USDCやUSDTには流通量、取引所、対応ネットワーク、開発者という大きな先行資産があります。新しい通貨が参加企業の数だけで追いつくことはできません。実際に入出金できるアプリ、加盟店、取引所、DeFiで使え、必要なとき1ドルへ戻せることが必要です。
一方、銀行やカード会社が自社の顧客へ標準機能として提供すれば、暗号資産口座を持たない人へ一気に届く可能性があります。日本企業が参加する場合も、提携発表ではなく、国内の登録、円との交換、実際に動いた金額、収益分配が決算へどう入るかを追います。
利益を分けすぎると、安全への投資が細くなる?
上向きの設計には下向きの条件もあります。金利が下がれば分けられる準備資産収益は減ります。参加企業が多いほど規約、本人確認、凍結、障害対応の責任が複雑になります。収益分配を優先し、準備資産管理やサイバー対策への投資が不足すれば信用は育ちません。
成功する条件は、収益を配るだけでなく、利用者の手数料が下がり、どの窓口でも同じ条件で償還でき、事故時の責任が明確なことです。Open USDがCircleを倒すかではなく、競争によって発行体の取り分が、利用企業と生活者へどれだけ戻るかを見たいところです。
参加企業が準備資産収益を受け取れるなら、その一部は安い送金やポイントとして私たちへ戻ってくるでしょうか。
企業に配る仕組みは、普及の大きなエンジンになりそうです。でも企業間だけで取り分を分け、利用者の費用が変わらなければ、財布から見た新しさは小さいままです。私は加盟企業の数と一緒に、送金1回の費用、1ドルへの戻しやすさ、利用者へ戻る特典を追いたい。競争が暮らしを豊かにするかを見る数字です。
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