ステーブルコインとCBDCの違い|デジタル円の検討状況

ステーブルコインとCBDCの違いは、価格の表示よりも「誰が発行するお金か」にあります。円に連動する民間のトークンを、日銀が発行するデジタル円と混同しないよう、仕組みと日本の検討状況を確認しましょう。
情報確認日:2026年10月4日。発行の判断は日銀の2026年6月の進捗報告で確認しています。実証実験、今後の設計、一般向けの提供を区別しています。
発行するのは誰?
CBDCは「中央銀行デジタル通貨」です。日銀の定義では、中央銀行の負債となる、その国の法定通貨建ての電子的なお金を指します。日本で検討されるデジタル円なら、発行主体は日本銀行です。
参考:中央銀行デジタル通貨に関する日本銀行の取り組み方針|日本銀行
| 種類 | 発行主体・確認する条件 |
|---|---|
| CBDC | 中央銀行。発行の判断と制度・利用条件を確認 |
| 民間のステーブルコイン | 民間の発行者や仕組み。準備資産・償還・利用先を確認 |
例えばJPYC EXで扱うJPYCは、民間のJPYC社のサービスを通じて発行・償還する円建てのステーブルコインです。日銀が発行する通貨ではありません。「1円に連動する」という説明だけで、発行者への権利や円へ戻す条件まで同じと考えないでください。
民間のステーブルコインにも複数の仕組みがあります。比較する場合は、発行者、価値を支える資産、償還や売却の出口を銘柄ごとに確認します。

日本のデジタル円は、もう発行が決まった?
日銀の2026年6月の進捗報告は、CBDCを発行するかは現時点で決定していないと説明しています。今後の国民的な議論などを踏まえるとしており、実験をしていること自体が発行開始を意味するわけではありません。
パイロット実験では、実験用システムの構築・検証と、民間事業者が参加するCBDCフォーラムの議論を進めています。そこで検証した処理や設計を、一般向けに使える機能、利用開始日、確定した仕様として扱わないことが大切です。
参考:中央銀行デジタル通貨に関する実証実験・パイロット実験の進捗状況(2026年6月)|日本銀行
一般向けと金融機関向けは、どう違う?
リテール型は、個人や企業の利用を想定
買い物などの身近な決済で使う、幅広い利用者向けのCBDCがリテール型です。日銀の2020年の方針は、日銀と民間事業者が役割を分担する間接型を基本として検討しています。CBDCの話を読んで、全員が日銀に直接口座を作る仕組みだと決めつける必要はありません。
参考:中央銀行デジタル通貨に関する日本銀行の取り組み方針|日本銀行
ホールセール型は、主に金融機関間の大口決済
日銀の2026年5月の説明は、トークン化した日銀当座預金、いわゆるホールセール型CBDCを、主として金融機関間の大口決済に使うものとして扱っています。この検討のニュースを、個人向けのデジタル円が購入・送金できるようになった案内と混同しないでください。
参考:決済の未来フォーラム挨拶(神山理事、2026年5月29日)|日本銀行
現金やプライバシーは、どうなる?
日銀の方針は、現金への需要がある限り現金の供給を続けるとしています。CBDCの検討を、現金がすぐ廃止されるという説明へ広げないようにします。
利用者情報を誰が、どの範囲で、どんな条件で取得・管理するかも検討事項です。停電や通信障害時の使い方なども設計上の課題として挙げられています。匿名性やオフライン利用が、既に確定・提供された機能だとは扱えません。
参考:中央銀行デジタル通貨に関する日本銀行の取り組み方針|日本銀行
ニュースやサービス案内を、どう確認しよう?
最初に発行主体・対象利用者・現在の段階を確認します。日銀の実験の話なのか、金融機関間の決済なのか、民間のステーブルコインのサービス開始なのかを分けると、今の自分に使えるものか判断しやすくなります。
デジタル円の動きを知りたい場合は、日銀の資料の日付と「検討」「実験」「発行決定」を確認してください。今、円建てステーブルコインを使いたい場合は、受取先が対応する銘柄・ネットワークと、円へ戻す方法・費用を先に照合しましょう。







