USDTとUSDCはどちらを選ぶ?国内の入口と円への出口を比較

USDTとUSDCは、どちらも1単位=1米ドルを目指すステーブルコインです。日本円から使い始めるならUSDCに国内の購入例がありますが、選ぶ基準は知名度より、使う先と円へ戻す先の対応です。準備資産と償還条件も分けて比べましょう。
情報確認日:2026年10月3日。国内の個人利用を想定した比較です。資料の対象日と、サービスの現在の条件は区別しています。
仕組みと準備資産はどう違う?
| 比べる項目 | USDT | USDC |
|---|---|---|
| 発行元 | Tether | Circle |
| 連動を目指す通貨 | 米ドル | 米ドル |
| 準備資産の例 | 現金等、金、Bitcoinなど | 現金、短期米国債など |
Circleは、現金と、短期米国債・翌日物レポなどでUSDCを裏付けると説明しています。大部分を政府マネーマーケットファンドのCircle Reserve Fundで、残りを銀行の現金で保有する構成です。週次の準備資産情報と月次の第三者保証を案内しています。
参考:Transparency & Stability|Circle
Tetherの2026年6月30日時点の報告には、現金・現金同等物などに加えて、金、Bitcoin、担保付き貸付なども含まれています。同じ米ドル連動でも、準備資産の構成は同じではありません。資料では、対象日、資産の種類、第三者が確認した範囲を見ます。
参考:Transparency(準備資産と保証報告)|Tether
参考:2026年6月30日時点の準備資産・保証報告|Tether
ここで読んだTetherのBDO保証報告は、特定日時の準備資産報告についてのものです。会社の財務諸表そのものではなく、その後も常に同じ状態にある保証ではありません。「第三者確認がある」だけで、価格や換金を無条件に安全と判断しないようにします。
参考:2026年6月30日時点の準備資産・保証報告|Tether
日本で買い、円へ戻すなら?
金融庁の電子決済手段等取引業者一覧(2026年8月27日現在)は、USDCの取扱いとしてSBI VCトレードとCoincheckを掲載しています。この一覧にはUSDTの記載はありません。登録は価値の保証や推奨ではなく、登録されたことと、自分が使いたい機能に対応することも別です。
具体的な購入例として、SBI VCトレードのVCTRADEサービスはUSDCを日本円で売買できます。同社のUSDC入出庫はEthereumのみです。買って同じ口座で売るのか、外へ送ってから戻すのかで、見る条件が変わります。
Coincheck Payの手数料案内は、USDCを買い取って円で対価を支払う決済サービスの説明です。円換算の為替レートにはスプレッドが含まれます。この案内だけを根拠に、個人がUSDCを購入できる場所として紹介することはできません。
参考:手数料(Coincheck Pay)|Coincheck
発行元の直接償還は別の条件
発行元へトークンを渡して米ドルを受け取る直接償還と、国内サービスで売って日本円を受け取る方法は分けます。Circleへの直接償還は、適格で登録済みのCircle Mint口座が条件です。USDCを持つ人全員が直接申し込めるわけではありません。
Tetherの直接償還には本人確認などの条件があり、下限は10万米ドルです。償還費用は1,000米ドルと償還額の0.1%のうち、大きい方となっています。これは発行元へ直接申し込む条件で、別の事業者でUSDTを買う際の最低購入額を示すものではありません。
参考:Fees|Tether
少額で使う人は、「発行元が1ドルで償還する」という説明だけで出口を決めず、自分が利用できる事業者の売却・出金条件まで確認します。外部利用では、戻す先が銘柄とネットワークの両方を受け付けるかも照合してください。

持つだけで利益が出る?
使われる場所が増えることと、1単位の米ドル価格が上がることは別です。USDTもUSDCも1米ドルを目指すため、普及の期待をそのまま値上がり益へ置き換えないようにします。Circleの規約は、USDCを保有しているだけでは利息を受け取れないことも明記しています。
日本円で見た金額は、米ドル円の為替で変わります。仮の例として、100単位を持ち、1単位=1米ドルが維持される場合、1ドル150円なら15,000円、140円なら14,000円です。手数料やスプレッドを除いた計算でも、円高で円換算額は減ります。
利回りを得るための貸出は、保有とは別の契約です。例えばSBI VCトレードの貸出案内には、分別管理の対象外で、原則として途中解約できない条件があります。提示された利率に加え、貸出先が返せない場合の扱いと、必要なときに売却・送付できるかを先に読みます。
USDT・USDCの米ドル連動は、円の元本保証を意味しません。価格のずれ、為替、利用する事業者の条件を確認します。発行元の規約には利用や償還の制限があり、銀行預金のような預金保険もありません。必要な時期に使うお金を置く前に、損失と出金制限を受け入れられるか考えてください。
選ぶ前に何を確認する?
購入候補を決めたら、次の項目を購入先・利用先・戻す先の公式画面で照合します。送付先から届いた個別のリンクだけに頼らず、自分で公式サイトを開いて確認しましょう。
| 見る項目 | 自分の経路で確かめること |
|---|---|
| 購入先 | 日本居住者の利用条件、登録区分、円で買える方法と実際の提示価格。 |
| 使う先 | 銘柄、ネットワーク、トークンの識別情報、最低数量、送付先の登録・審査。 |
| 円への出口 | 売却や償還の条件、送付・出金費用、銀行口座へ届くまでの時間。 |
例えばSBI VCトレードの公式FAQは、BEP20やArbitrumなどEthereum以外でUSDCを同社へ送っても、反映・回復処理はできないと説明しています。USDCが複数のネットワークに存在することと、使う事業者が受け取れることを分けてください。
参考:ユーエスディーシー(USDC)の入庫について|SBI VCトレード
私は、人気がある方を選ぶ前に、「円で入手する → 使いたい場所へ動かす → 円へ戻す」を書いてみたいです。口座内で売買するだけなら、移す工程は省けます。自分に必要な工程の条件がそろってから、どちらを使うか考えたいと思います。
最初の行動は、買うことではなく、この経路と費用を公式資料で埋めることです。対応がそろわなければ使い方か購入先を見直し、使う目的がまだなければ仕組みを調べるところから始めてください。






