USDTとは?1ドルを支える仕組みとTetherの収益

USDTは、1USDTを1米ドルに近い価値に保つことを目指すステーブルコインです。Tetherの準備資産と償還が支えになりますが、円での価値や利用先まで保証されるわけではありません。発行側の収益と、自分が受け取れるものを分けて見ていきましょう。
情報確認日:2026年10月4日。資料の対象日と、現在の利用条件は区別しています。操作前にも公式の条件を確認してください。
USDTはどう1ドルを保つ?
発行・償還を行うTether International, S.A. de C.V.は、発行したトークンに対応する準備資産を保有します。確認済み顧客は規約の条件に従い、USDTを発行者へ渡して、1USDTにつき1米ドルを基本に費用を差し引いた金額を受け取れます。この手続きを「償還」といいます。
参考:Token Terms of Sale and Service|Tether
取引所などでUSDTを売買する価格は、発行者への償還額と同じとは限りません。売買の需給や利用できる出口によって、1米ドルから上下する場合があります。日本円での売却額には、米ドルと円の為替も関わります。
USDTは米ドルの法定通貨や銀行預金ではありません。Tetherの規約は、公的な預金保険などによる保護がないと説明しています。米ドルでの価格が安定していても、円高になれば円での価値が下がり、売却や送付の費用もかかります。
参考:Token Terms of Sale and Service|Tether

準備資産の資料はどこを読む?
準備資産を「すべて現金」と考えないことが大切です。2026年6月30日現在の報告には、米国債やレポ、現金等に加え、貴金属、Bitcoin、担保付貸付なども載っています。資産の種類によって、値動きや現金化の条件が異なります。
参考:2026年6月30日現在の財務数値・準備資産報告と保証報告書|Tether/BDO
| 見る項目 | 読むときのポイント |
|---|---|
| 資産の内訳 | 現金・米国債以外の資産も含むか |
| 対象日 | 当日の残高か、過去の時点の報告か |
| 第三者の確認範囲 | 準備資産の報告か、年度財務諸表か。対象外の情報はあるか |
この報告に付いたBDOの保証は、2026年6月30日の一点時点が対象です。報告は年度の財務諸表ではなく、付属のNotesは保証の対象外とされています。過去の報告を、現在の残高や今後の支払い能力の保証に読み替えないようにしましょう。
参考:2026年6月30日現在の財務数値・準備資産報告と保証報告書|Tether/BDO

Tetherの利益を受け取れる?
準備資産には米国債など、利息が生じる資産があります。その運用で発行側に収益が生じても、USDTを持つ人へ自動で配られる仕組みではありません。Tetherの説明資料は、額面を超える準備資産の価値増加を保有者が受け取る権利はないと明記しています。
参考:Relevant Information Document(2026年2月20日)|Tether
USDTを持つことと、利回りをうたうサービスへ貸すことは分けて考えます。貸出やDeFiを使うなら、そのサービスの契約、資金の使われ方、返還期限、損失時の扱いを別に読みます。Tetherの準備資産の説明だけでは、第三者の利回りや返還は確かめられません。
収益が目的なら、まず「誰が、何の対価として、自分へ支払うのか」を説明できるか確認してください。発行会社の業績が好調というニュースだけでは、自分の収益になる根拠にはなりません。
日本から使うなら何を見る?
国内対応は公式一覧で確かめる
金融庁の電子決済手段等取引業者登録一覧(2026年8月27日現在)に、USDTは取扱い電子決済手段として載っていません。この一覧の範囲での確認であり、日本からの利用がすべて不可能・違法という意味ではありません。利用する事業者の登録、居住地の条件、現在のサービス案内を合わせて確認します。
参考:電子決済手段等取引業者登録一覧(2026年8月27日現在)|金融庁
海外の画面にUSDTが表示されることと、日本居住者がそのサービスを利用でき、本人名義の銀行口座へ出金できることは別です。送金先まで決めているなら、送り出す側と受け取る側の銘柄・ネットワークも照合します。

直接償還と円への出口を分ける
Tetherへの直接償還には、確認済みアカウントなどの条件があり、最低額は10万米ドル相当です。償還手数料は1,000米ドルまたは償還額の0.1%の大きい方。USDTを償還すると、登録した銀行口座へ米ドルで送られます。少額を日本円へ戻すための一般的な窓口ではありません。
参考:Tether Tokensを法定通貨へ償還する方法|Tether
参考:手数料表|Tether
少額での利用を考えるなら、自分が使える売却先と、円を受け取るまでの手順を先に確認しましょう。USDTを受け付けないサービスへ送っても、円への出口は作れません。

買う前に何を確かめる?
最初に、USDTを使う相手やサービスを決めます。その公式案内で、①日本居住者の利用条件、②受取銘柄とネットワーク、③円へ戻す手順、④売買・送付・出金の費用を控えてください。条件を説明できなければ、購入や送金を急ぐ必要はありません。
SNSなどで紹介された取引画面に利益が表示されても、出金前の「税金」「保証金」などを追加送金するよう求められる被害があります。支払わず、やり取りと送付記録を保存し、公的な相談窓口へ相談してください。
価格の仕組み、相手の受取条件、自分が円へ戻せる出口を確認してから、USDTが必要か判断しましょう。利回りだけに関心があるなら、USDTの保有と第三者の運用契約を分けて読むところから始めてください。






