ステーブルコインの利回りは誰が払う?原資と返還条件を確認

ステーブルコインの利回りを見るときは、誰が、何の対価として支払うのかを確認します。貸出の利用料、借り手の金利、交換の手数料は、それぞれ別の原資です。発行体の収益と保有者の報酬を混ぜず、支払元と返してもらう条件をたどりましょう。
情報確認日:2026年10月4日。各サービスの公式説明を例に、報酬の仕組みを比べています。特定の年率が現在募集されている、又は続くという案内ではありません。
発行体の利息をもらえる?
USDCの例では、Circleは準備資産を利息の付く口座などで運用する場合があっても、USDC保有者がその収益を受け取る権利はないと規約で説明しています。USDC自体が保有者へ利息を生むわけではありません。
そのため「発行体が国債などで収益を得る」と「自分のUSDCが増える」は別の話です。別のサービスが保有者へ報酬を出すなら、そのサービスの契約やプログラムに支払条件があるかを読みます。すべての銘柄にUSDCと同じ条件を当てはめず、自分が持つトークンと報酬の仕組みを分けて確認してください。

貸した相手はどこから払う?
SBI VCトレードの貸コインでは、利用者が同社へ暗号資産や電子決済手段を一定期間貸し、同社から利用料を受け取ります。契約上の返還相手は同社です。年率、期間、対象数量はコースの募集条件によって違います。
同社の貸借説明書は、借りた資産を転貸することがあると説明しています。ただし、この書面だけで、個々の貸出について最終的な借り手や運用方法を特定することはできません。「この年率なら、借り手も必ずそれ以上で儲かっている」と決めつけないでください。契約で約束する支払と、相手の事業収益を区別します。
参考:暗号資産等貸借取引説明書(VCTRADEサービス)|SBI VCトレード
支払相手の名前が分かっても、資産が守られる保証にはなりません。貸出資産は資金決済法の分別管理の対象外で、同社の倒産時には全部又は一部が返らないリスクがあります。貸出先を信用してよいかという判断も、利回りと一緒に必要です。
参考:暗号資産等貸借取引説明書(VCTRADEサービス)|SBI VCトレード
DeFiの金利と手数料は同じ?
| 報酬の例 | 原資と変わる条件 |
|---|---|
| 貸出プールの金利 | 借り手の利用。借入利用率や設定で変動 |
| 交換プールの手数料 | 交換する利用者の支払。取引量や提供条件に左右される |
| 別途配布される報酬 | 配布プログラムの条件。銘柄・期間・上限を別に読む |
Aaveの貸出プールでは、供給したトークンが借入に使われ、借入利用率やガバナンスの設定で供給金利が決まります。供給、借入、返済、引出しによって金利は更新されます。表示された年率を、将来の固定収益として扱うことはできません。
交換プールの一例であるUniswapは、交換する利用者の手数料を、資産を提供した人への報酬の原資として説明しています。一部がプロトコルに回る場合もあります。v3・v4では設定した価格範囲内の流動性が報酬の対象で、範囲外になるとその間の手数料収入は止まります。貸出の金利と、交換を支える報酬は同じ仕組みではありません。
参考:Fees|Uniswap
別のトークンが配布されるプログラムも、元のステーブルコインと分けて見ます。何の銘柄をいつ受け取るのか、配布が終わる条件、売れる場所と円へ戻す費用を確認します。表示された報酬額を、そのまま円の手取りとして数えないようにしてください。
申し込む前に何を確認する?
報酬を支払う人と、元の資産を返してもらう条件は別の確認項目です。支払元が説明されていても、引出しの制約や返還されないリスクが消えるわけではありません。
SBI VCトレードの貸借説明書では、原則として中途解約できず、同社から担保の提供もありません。Aaveの引出し案内では、借入に回っていない利用可能な流動性が必要です。どちらも「価格が安定するトークンだから、いつでも戻せる」とは判断できません。
参考:暗号資産等貸借取引説明書(VCTRADEサービス)|SBI VCトレード
候補を一つ決めたら、契約相手、報酬の原資、受取銘柄、年率と日数、引出し条件、返還されない場合の扱いを書き出しましょう。公式資料で確認できない項目は推測で埋めず、問い合わせるか、その候補を見送ります。
次に、購入から円へ戻すまでの費用と、受け取る資産の円換算額を比べます。年率の大小だけで順位を付けず、自分が引き受ける条件を説明できる候補から判断してください。







